鹿児島湾ブルー計画と錦江湾倶楽部
鹿児島湾ブルー計画は,鹿児島県が昭和54年から取組んでいる水質保全計画で,現在,第4期計画を進めています。有機性汚濁指標の化学的酸素要求量(COD),富栄養化指標の窒素及びりんについて水質保全目標を定め,目標達成のために湾に流入する汚濁物質の量(汚濁負荷量)の削減対策や普及啓発に取り組んでいます。
湾は,南北約80km,東西約20kmで,桜島を挟んで湾奥部と湾央部に分割され,最大水深は湾奥部が200m,湾央部が237mで,すり鉢型になった典型的な閉鎖性水域です。流域人口は約88万人(うち鹿児島市が60万人),ブリ・カンパチの国内有数の養殖基地があるほか農畜産業も活発で,CODの汚濁負荷量の割合は,水産系31%,生活系27%,農林系24%,事業場系10%,畜産系8%となっています。このため,下水道や浄化槽の整備などの生活排水対策,養殖イケスの基数制限などの水産養殖対策,施肥量の適正化や家畜ふん尿処理などの農畜産業対策が進められています。この30年間で湾域の経済活動は拡大し汚濁負荷量は増加したものの,湾の水質レベルは,ほぼ横ばいで推移しており,この水質保全計画は一応の成果を果たしていると考えています。しかし,近年,湾域河川の水質は改善された一方で,河口海域のCOD濃度は悪化傾向にあります。海水温の上昇や栄養塩類の流入によるプランクトンの増殖が原因の一つと考えられており,現在,県では汚濁機構解明のための総合調査を行っています。
また,地域の方々による水質保全活動は普及啓発の中で最も重要な対策です。毎年,延べ約10万人の方々が清掃活動に参加されているほか,河川の環境パトロール,研修会や水生生物調査を通じた環境教育など様々な活動が行われています。県は,これらの活動を支援するため,平成20年4月に県の公式ホームページに,湾に関するさまざまな情報を掲載した「錦江湾倶楽部」を立ち上げましたが,さらに親しみやすく多くの方々に活用していただくために,今回,環境教育NPO法人「くすの木自然館」に依頼し独立したサイトとして運用することになりました。文字どおり「倶楽部」としての機能を十分発揮し,さまざまな環境保全活動に活用され,県民と鹿児島湾の距離を近づける架け橋になっていくよう願っています。